どう構成すればよい?

本記事では、筆者の学会発表や各種研修会・講演会での経験を元に、パワポ(パワーポイント、Power Point)等を用いたスライドの作成について、どのような構成にすれば発表がスムーズになり聞いている人に伝わるかを解説する。

学会発表用スライドの構成

 学会における発表形式は指定されていることがほどんどなので、まずはそれに従う必要がある。例えば、「背景」「目的」「研究方法」「結果」「結論」といった流れだ。時間の指定もあるため、それに合わせたボリュームにする必要がある。1分で1スライドを発表するように構成すると、タイムキープしやすく、作成スライド枚数の目安となる。

最近は「利益相反(COI)」の開示も重要となる。今一度、発表募集要項等を見直していただきたい。

研修会・講演会スライドの構成

 講演会や研修会では、どのような構成で組み立てるかはどのようにもできるかと思うが、「導入」「本題」「まとめ」が基本となる。

 まず、発表する目的はなんだろうか?対象者は誰だろうか?「導入」では、それらに従ってテーマを設定する。

 テーマが決まれば、「本題」に必要な内容を収集し整理していく。説得力を増すために、根拠となる情報やデータ、文献等を引用することも有用であろう。視覚に訴えるような、イラストや写真の掲載があっても良い。

 最後に「まとめ」であるが、本題で示した内容より、重要ポイントを簡潔に列挙するとよい。簡潔にというのが重要だ。最後にダラダラしてしまっては引き締まらず印象が悪い。長い話の最後の集中力が切れかけている時にでも、すっきりとした内容ですーっと納得して頭に入ってこれる「まとめ」がよいだろう。また、テーマとまとめの内容がぶれていないかチェックしてほしい。内容を厚くするうちに、テーマからぶれてしまう事態を避けたい。

1スライド1メッセージ

 1スライドには1メッセージとしよう。内容を一つに限定することで印象に残りやすくなる。そうすることで、情報を詰め込みすぎて、どの内容が重要なのかとわからなくなってしまうことを避けられる。

聞き手は誰か

 対象者は誰だろうか?専門用語等のレベルも対象者に合わせる必要がある。テーマは対象者が求めていることになっているだろうか?これが非常に重要である。対象者に合わせた内容とならなければ講演会や研修会の満足度に大きく影響する。